夏が終わりを告げ、秋の声を聞く頃になると店頭に栗が並び始めます。
季節ごとに旬の果物がありますが、栗のお菓子は特別喜ばれるように思います。
私のお気に入りは栗のブランデー煮。
今秋はこの栗のブランデー煮をたっぷりと入れて<ブランデーケーキ>に仕上げました。きめ細やかな生地にブランデーシロップがしっとりと染み込んだとても贅沢なケーキです。
栗が手に入ると必ず作るのがこの栗のブランデー煮です。
ホクホクと柔らかくなるまで下茹でした栗を、ブランデーを入れたシロップでさっと煮て漬け込みます。
芳醇なブランデーの香りが栗本来の美味しさ引き立て、まろやかでねっとりとした食感に。保存ができるので、この季節のおもてなしにお茶に添えてお出ししたり、お菓子の中に入れてたりして楽しんでいます。
秋の陽射しが注ぐ部屋で、黙々と栗の皮を剥く作業はとても好きな時間です。
ブランデーケーキはパウンドケーキにシロップを染み込ませたものもありますが、今回はきめが細かくふんわりとしたメレンゲをベース。焼きたての熱々のケーキに、熱く煮立てたブランデー煮のシロップを染み込ませ、ラップで包んで香りを閉じ込めます。日が経つごとに、シロップが生地に馴染み美味しさが増します。
栗のブランデー煮を使ったもう一品はパルフェ。 煮崩れてしまった栗はシロップと生クリームを合わせてミキサーにかけてマロンペーストにして楽しみます。 生クリームとメレンゲを合わせれば、ほっくりとした栗のアイスクリームに。秋の贅沢デザートです。
パルフェを作るポイントは生クリームとメレンゲの泡立てです。パルフェにたくさん空気を含ませたまま冷蔵庫で固めることで、なめらかな食感に仕上がります。特に生クリームは固くバサバサとした見た目でなるまでまぜることが重要です。
栗の旬は9月〜10月。すぐに使わないときは下処理をしておくと長く保存することができます。
まずは栗を1.5%の塩水(1kgの栗でしたら水1L+塩15g)に1晩つけておきます。翌日水をきって紙などで1つ1つふいてしっかり水気をとり、新聞紙にくるんで袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。翌日新聞紙を替え、その後は1週間に一度ほど新聞を取り替えれば1か月ほど日持ちします。下処理をしておくと茹で上がりも早いです。皮を剥くときは10分ほど熱湯につけておきます。皮が柔らかくなり作業が楽になります。