un pur..(cooking+cake-ing)

manthly class

Manthly Class | DECEMBER 2015

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kransekage | カンセケーエ

カンセケーエはデンマークのお祝いの伝統お菓子です。デンマーク語でカンセ(kranse)は花輪、ケーエ(kage)はケーキという意味。マジパンをベースにした生地は粘土のように成形しやすいので、お祝いによって様々な形にして楽しみます。クリスマスにはサイズ違いの輪を順に重ねてアイシングをし、小さな国旗を飾ってツリーに見立てます。結婚式のお祝いにはホルンの形。家庭では簡単に作れる写真のような形が定番です。海外を訪れた時は、その土地のお料理上手の方を紹介していただき、ご家庭で作るお料理やお菓子を教えていただきます。カンセケーエは今年コペンハーゲンを訪れた際に教えていただいたお菓子です。日本であまり知ることのできない土地の料理を教わることは、レシピだけでなく、その土地の歴史、文化、伝統、そしてその土地での普段の暮らし方、様々なことを知ることができる楽しい時間です。

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kransekagetoppe | カンセケーエトッペ

コペンハーゲンで教わったもう一品は<カンセケーエトッペ>。作り方はカンセケーエとほぼ同じですが、こちらはマジパンに加える卵白と砂糖の量を調整して絞り出して作ります。トッペ(toppe)は天辺という意味。クッキーの天辺にドレンチェリーやナッツを飾ります。まわりは固く、中はモチッとした食感のカンセケーエに比べ、カンセケーエトッペは薄いので焼き目が多くサクッとした部分が多いクッキー。同じ材料でも様々な工夫やアイデアでお菓子作りを楽しんできた様子が目に浮かびます。

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Pavlova | パブロバ

パブロバは焼いたメレンゲに生クリームとフルーツをのせたお菓子です。ロシアのバレリーナ、アナ・パブロバがニュージーランドを訪れた際、ホテルのシェフがバレーの衣装をイメージして作ったと言われています。パブロバというと直径20cmくらいの大きさが通常ですが、大きいと焼き時間も長く、切り分けも難しい。そこで今回は蓋つきの小さなパプロバに仕上げました。生クリームにいちごをのせて、華やかなクリスマスのデザートに。

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数年前に北欧を訪れた際、フィンランド料理のシェフのお宅にお招きいただきました。お庭で振舞っていただいたお料理は素朴な中に自然のものを取り入れた工夫がされていて、心和むものばかりでした。デザートはもみの木の新芽の香りを移したアイス。そこに添えられていたのが花びらを漬け込んだいちごシロップでした。聞くと、お庭の奥に指をさし「あれだよ」と。そこにはハマナスの花が綺麗に咲き誇っていました。自然と暮らしが近くにあるフィンランド、本当に心地の良い季節は夏の前後数ヶ月と言っていました。過酷な冬が長いからこそ、季節の実りが喜びであり、暮らしの中で楽しむことが上手なのかもしれません。あの時感じた気持ちを今度は自分がおもてなししたくて、バラの花びらを浸けたいちごシロップをパブロバに添えました。

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