un pur..(cooking+cake-ing)

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Manthly Class | DECEMBER 2015

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Peach ricotta cake | 桃のリコッタチーズケーキ

桃やスモモ、無花果などの濃厚な果実の匂いがふわーっと薫ってくると、夏到来。梅雨の雨で水分をたくさん吸ったみずみずしい果肉にそのままかじりつきたくなるけれど、火を通した果物は甘みや風味が凝縮してより贅沢な味わいに。暑い夏にオーブンを使うのは二の足を踏んでしまうけれど、あの美味しさが恋しくなってやっぱり温かい桃のお菓子作ってしまう。焼きたのジュワーとした桃のケーキにアイスクリームを添えて食べるのがお気に入り。夏のおもてなしにもおすすめです。

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桃とリコッタチーズは相性抜群。リコッタはチーズを作った後に残った水分(ホエー)を煮詰めて作る南イタリアのチーズ。脂肪分が少なくさっぱりとした口当たりが、繊細な桃の風味によく合います。熟した桃にリコッタをのせたてそのままいただくのもとても美味しいですが、今回は生地に練り込みました。リコッタの入った卵ベースの軽い生地に、生の桃を並べて焼いた見た目も素朴な夏のケーキです。

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Cassata di pesche | 桃のカッサータ

カッサータは南イタリアの伝統菓子。本場のシチリア島ではリコッタチーズにフルーツの砂糖漬けや刻んだチョコレートを合わせたフィリングをスポンジ生地にサンドし、アイシングでコーディングしたデコラティブなケーキ。最近はリコッタのフィリングだけを冷やし固めてアイスとしも楽しみます。今回はよりシンプルに桃とスライスアーモンドのみ。リコッタチーズと桃の風味を楽しめるよう仕上げました。カットすると桃の淡いピンクが可愛らしく、食べるとアーモンドのカリッとした食感がアクセントに。

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Peach Moscato compote | 桃のモスカートワインコンポート

昨年の夏、イタリア ピエモンテを訪れた際、アグリツーリズモに滞在しました。アグリツーリズモとは、Agri-=農業の、turismo=観光、いわゆる農園滞在のことで、もともとは農業とその地域の自然環境を守るために制定されたものです。アグリツーリズモを経営する農家さんはその土地で採れた野菜や果物、お肉などを必ず使う など様々なルールがあるとその時教えてもらいました。
桃のモスカートワインコンポートは滞在したアグリツーリズモの夕食のデザートとしていただいたもの。畑の隅に植えてある果樹から桃をもいできて、カルダモンと白ワインに漬けただけのコンポート。なのに、つめたく冷えた桃が、暑い夏に喉を潤し、何より美味しかったのを覚えています。このワインは?と尋ねると「モスカート」と。マスカットで作るピエモンテの白ワインとのことでした。その土地のものだけを使った心豊かなデザートに胸が高鳴り、この夏に皆さんにお伝えしたいと心に留めていました。 今回のレッスンではお酒が苦手な方のことも考え、カルダモンを加えて沸騰させたモスカートを生の桃に浸しましたが、モスカートワインはアルコールが柔らかく、マスカットの風味もふんわりと香るのでお酒が苦手でなければそのまま浸すのがやはり美味です。

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