un pur..(cooking+cake-ing)

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Manthly Class | DECEMBER 2015

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Spéculoos | スペキュロス

スペキュロスという不思議な名前のクッキーをご存知でしょうか? スペキュロスはもともとはベルギーやオランダで12月6日の聖ニコラウスの日に食べる伝統のクッキーです。今ではベルギーのお菓子屋さんやスーパーで1年中購入することができます。ベルギーでは幾つかのスパイスを配合した“スペキュロスミックススパイス”があるほど。スパイスの香りとパリパリとした食感が後を引く癖になる味です。クッキー生地を木型で抜いて作るのも特徴で、聖人の形やキリスト教のモチーフ、ベルギーの街並みなど伝統的な木型がたくさんあります。手彫りの型で抜いたクッキーはとても愛らしい温かみを感じます。クリスマスの贈り物にもと今回ご紹介しました。

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15年ほど前、ブリュッセルを訪れたことがありました。ベルギーの首都ブリュッセルはパリからも列車で数時間、フランスを訪れた際にふと思い立ち足を伸ばしました。私の目当てはベルギーワッフルと、チョコレート。ベルギーはワッフル発祥の地。本場のワッフルはとても軽い食感でまわりサクっ、中はジュワー、焼きたての甘い香りは今でも忘れられない味の一つです。そしてショコラティエ巡り。ベルギーのチョコレートの歴史は古く、ブルッセルにも有名ショコラティエが数多くあります。それらを巡る中でチョコレートよりも目を引いたのが木型でした。どのお菓子屋さんのウィンドウにも手で彫った素朴なとても可愛い木型が並んでいます。これは何かと尋ねたところ、スペキュロスというクッキーの木型だと教えてくれました。その景色が目に焼きつき、ずっと心に残っていました。スペキュロスはいつかお菓子教室で作りたいと思っていたクッキーです。

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普通クッキーは手で丸めたり、金型で抜いたり、包丁で切ったりして形を作ります。木型からどうやって生地を抜くのだろうとずっと気になっていました。スペキュロスの材料は他のクッキーと何ら変わらないものばかり、ただ配合の違いで木型についてしまうことなく抜ける生地になるのには驚きました。木型に打ち粉をして余分を叩き、少量の生地を入れ、綿棒で平らにしたら逆さまにして軽く台にトントン。細かな柄も綺麗に抜けるのです。
特徴の一つといえばカソナードを使うこと。カソナードはサトウキビから作られる少し粗めの赤砂糖です。クレームッブリュレのカリカリとしたキャラメルなどフランスのお菓子にはよく使われます。スペキュロスはブラウンシュガーでも同じように作れますが、カソナードを使うととても華やかな味になり、またよりパリパリとした歯触りになります。日本では少し高価なお砂糖ですが、カソナードを使うと本場の味に近くなるような気がします。クリスマスが近づく頃に木型で1つ1つクッキーを抜く作業はとても心地よく、素朴な木型のモチーフを見ているだけで優しい気持ちになります。

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Caramel chocolat mousse | キャラメルショコラムース

クリスマスケーキにもおすすめのキャラメルとチョコレートの濃厚なムースです。キャラメルにとかしたチョコレートを加え、生クリームとメレンゲを合わせました。ポイントはキャラメルの焦がし具合。しっかりと濃いキャラメル色にになるまで焦がすと、より大人っぽい仕上がりになります。ムースの中には空焼きしたクルミを少し。食感の違いが楽しめます。
デコレーションは苦手という方にオススメなのがコーティングチョコレートを使った飾りです。コーティングチョコレートはテンパリングなしでそのまま使用でき、すぐに固まるのが特徴です。溶かしたコーティングチョコレートをオーブンシートに薄く広げ、固めます。あとは包丁で正方形にカットして、ムースの周りに貼っていくだけ。とても華やかな仕上がりになります。

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