Confit d'orange | オレンジのコンフィ

毎年春になるとオレンジピールを仕込みます。オレンジピールは皮の厚いバレンシアオレンジがを使いますが、コンフィー作りには皮の薄いネーブルオレンジがオススメです。旬は1〜3月頃、底におへそ（ネーブル）があるのが特徴です。美味しくきれいに作るコツは、オレンジを煮詰めないこと。ゆっくりとオレンジにシロップを含ませていくことで、果肉まできれいに仕上がります。バレンシアオレンジよりも旬の早いネーブルオレンジ。外はまだ寒い冬ですが、お鍋から部屋中に広がるオレンジの香りに春を先取りした気持ちになります。

Torta all'arancia | オレンジケーキ

オレンジのコンフィーを並べたケーキはしっとり、ジュワーっとオレンジの香りが口の中に広がるイメージで生地を作りました。お菓子を膨らますにはベーキングパウダーを使ったり、メレンゲを加えたりすることが多いですが、今回はどちらも使わないレシピ。はじめにクリーム状にしたバターとグラニュー糖をしっかりと泡立てたっぷりと空気をふくませるのがポイントです。卵、アーモンドパウダー、薄力粉を加えた後、刻んだコンフィーとたっぷりの果汁をまぜ合わせて焼き上げます。日が経つごとに全体がなじみ美味しさが増します。そこまで来ている春に想いを馳せるながら一切れずつ食べたいお菓子です。

Tiramisù all'arancia | オレンジのティラミス

オレンジのコンフィー使ったもう一品は、マスカルポーネチーズに卵黄とメレンゲを合わせたクリームの簡単ティラミス。クリームとコンフィーと交互にグラスに重ねるとオレンジ色がほのかに覗き、春らしいデザートに。スライスアーモンドをキャラメリゼしたプラリネを直前に添えてどうぞ。

Oranjetto | オランジェット

オレンジコンフィにチョコレートをかけたオランジェット。コンフィーを網に並べ、1日ほど乾かします。オーブンを使う方法もありますが、甘みが強くなり、オレンジの風味は少し落ちるように感じます。自然乾燥の方がオレンジ本来の美味しさが際立つように思います。家庭で作るからこそ、オレンジの風味を大切にしたい。コンフィーを作る際も糖度をあげて日持ちを伸ばすよりも、旬の季節に美味しく楽しめることを考えています。